われは夏のハエよ

 昨日は鹿嶋の堤防で、私生まれて初めてルアーでブリの小さいの(37センチぐらい)を一つ釣った。次の時機待ち手段はこれ、釣りへの回帰か。

 とにかく目が疲れてしようがない。目を休ませないと左の目はまもなく失明するだろう。かつ、ストレスも、もっと発散しないと、この先20年も生きられそうもない。

 ところが釣りはここのところ、三振にばっかり切ってとられている。自然はもう壊れきった。自然の中で遊ぶのはもうおしまいではないか、と諦めていたところ、
 先日、鹿嶋の堤防へウオーキングを兼ねて見に行ったら、二日間ともルアーでよく釣れていた。

 神の誘い。
 私もやってみたくなった。

 鹿嶋港の北側にのびる長い堤防(平井の新堤)。このあたりの堤防は、これまでに80人?もの釣り人が死んでいるという。釣り禁止区域。

 ルアーなら準備が簡単なので、巡視船がまわってきて「危険だからやめてください」と叫ばれて、すぐやめることになっても、そう腹も立たないだろう。その時はサオをたたんで帰るが、また次の日にやってくる。夏のハエですね。われも夏のハエになっちゃった。

 行儀が悪いというなかれ。いや、悪いことは悪かろうが、失明するのを防ぎ健康を保つ、なけなしの手段なのです。
 堤防が長くて先端までだと1km余りか。海を見ながらウオーキング。ただ歩くだけではイマイチ物足りないので、サオ一本とルアーをもっていって、ちょっとサオを出してみるといった格好。

 私はかつて釣りのプロになろうと頑張った時期があって、疑似餌で釣るのも基本的には奥義をきわめているつもりだけど個々の釣り場での最適の釣り方までも全部きわめているわけではない。最初の二日間はボーズだった。その時にベテランらしい人から、「もっと早く引かないとニセのエサだということを見破られてしまう。魚の目の前をバーッと通るとあわてて食うんだ」
 なるほど、私はあんまり早く引くと魚が追っかけきれないのではないかと思っていた。真っすぐ後ろから追尾するのではなく、ルアーが魚の鼻先を横切るのを、横から追っかけるのだったら追いつけるだろう。

 ルアーを激しく引くと、ルアーは激しく揺れたり回転したりする。このため、ルアーのお尻にデカデカとついているハリを、魚は見分けられない。かつ急いで食わないと逃げられてしまう。

 そうだ、水面を引くのです。ブリの子供などはわりと水面近くを泳いでいて、水面を逃げる小魚を食べるようです。飛ばしウキという、中にオモリを埋め込んであるウキをつけて、リールの付いたサオで遠くへ投げる。ハリスは2mあまり。ルアーは、釣れている人のを真似て、小さくて銀ピカのもの。

 そう、昨日はね。私が行ったときは堤防(高さ5m)の上の安全な場所にはすでに釣り人がいて私は入れなかった。仕方なくテトラを降りていってね、不安定なテトラの上で釣った、危なかった。救命胴衣の準備もなく、海へ落ちたら終わりだった。

 投げそこなって、仕掛けが手前の方へ落ちたのに、意外にもそれに食いつきましてね。何が何でも逃がすまいと魚を両手でテトラの上に押さえつけましてね、魚が血を吹いて残酷だったが・・・やっとクーラーバッグの中に押し込めるのに成功。遂にやった!

 思うにあれは、それまで投げ込んでいた沖のポイントに漁船が通りましてね、それで魚が手前の岸の方へ寄ったと思われます。

 何もかも神だ、私に釣らせようとする神の力が働いている。先日来ずーっとね。

 兎に角、次回はもっとちゃんと準備してこようと、この日は一匹で満足、わずか15分やそこらの釣りで終了。


 ん・・ガマの時代の次はこれ、「夏のハエ時代」じゃないか。釣りへの回帰。しかし今回はルアーで。
 海のルアー釣りでブリの小さいのを釣ったりするのは、私、やっていなかったので、これまた私の心の世界を広げていくのに役立つでしょう。


 これまでに書いた日記の読み返しが、№43辺り(Cafeに書いた日付では2004年6月)まで来ている。
 この世の深奥を感動的に語ったかと思うと、クチボソを嬉々として釣るおじさんを例にとって人間のプライドの問題を考えたりしている。私の文は、ただに内容が豊かだというだけでなく、他の誰もしゃべっていない真理を満載しており、したがってそれは閃きの宝庫だ。

 これがそのあと3年もかけて旅行記なども書いたのだから、ほらもう、私の人生、こんなもんでいい。これが、私がこの世に生きた意義の全てであっても悔いない。

 あとは太公望、魚でも釣っていましょうか。
 私はもう燃え尽き症候群。
 

 

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