哲学整理№166 NHK「小さな旅」で紹介された至福の暮らしは危険な土壌の上にのっかっていた 再掲の文です
おぼろな月が湖面を照らしているこの写真、私のうちの前の眺めです。
私は、「いやだ、いやだ、どこかへ逃げだしたい」と毎日のように思いながら暮らしているのですが、瞬間的には結構美しい光景の中で生きているんだ。
それでも今から12年前、女房も死んで一人っきりになった61歳のころ、毎日魚でも釣って暮らしてやろうと思って引っ越してきたここ茨城南部の潮来は幻滅のものだった。とても第二の故郷なんかじゃない。愛着なんか持てない。いつもどこかへ引っ越したいと思っている。何処にも行くところがないしカネもないから、しぶしぶここで暮らしている。
それに引き換え、このたびの大地震で被災した人たちは、戦後満州から引き揚げてきて栗駒山(宮城・岩手・秋田の県境にある)のふもとの原生林を切り開いてつくりあげた故郷への愛、執着を語る。避難所にいても「早く帰りたい」と口ぐちに言っている。
ここはNHKの小さな旅で紹介されたことがあるのだそうで、牧牛がのんびりと草を食み、ある人はイワナを養殖して暮らし、またある人はイチゴを栽培して暮らす、ひとも羨む桃源郷のようなところであったらしい。
でもこの人たちの幸せを羨むことなかったんだ。
なんという皮肉、あの番組では牧畜をやって大変幸せに暮らしている様子が紹介されていたという夫婦が、いまは年老いて避難所でガックリ肩を落としている。「わたしたちの幸せがこんな形で終わったんだ」と奥さんが言っていました。
つまりもう再起は出来ないらしい。これまで暮らしてきた土地は完全に破壊されてしまった。
彼らの幸せは、いつ崩れるかもしれない危険な土壌の上にのっていたのですね。
栗駒山から噴火した火山灰が堆積した土地、その火山灰の地層と、その下の固い地盤との間に雪解け水がたまってとても地すべりが起きやすい状態にあった。
神は、そんな危険の上にしか、ひとも羨む幸せは築かせない。
しばらくは至福の暮らしをさせてもらえるのだが、
しかし、
「フィット量有限」、
やがて
「快楽ストップ原因の発生」。
それが今回の大地震による、あんなにも大規模な山崩れによる徹底的破壊です。
これが全ての人を支配するこの世のおきて。
ひとの幸せを羨むことない。
人はみんな公平。人それぞれの一生全体としては、だよ。
誰の人生も厳しい。
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冒頭の写真で、お月さんの右方にポツンと星のようなのが見えていますが、この日は全般にうす雲がかかっていたからこれは星ではなく、まえにも言いましたジャンボ機です。ジャンボ機はこのようにまず、暁の明星よりも大きな星として東の方角に現れ、次第にこちらへの頭上へ近づいて来ます。
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